管理組合と個人情報。非常にデリケートな問題です。「勤務先」まで書く必要あるの? 固定電話は把握しているけど、使わなくなっている家庭が実は多い。本人の連絡先は把握しているけど、ご逝去されて家族の連絡先が分からない。。。。管理組合として知っておきたい情報は一杯ですが、理事長が管理しているのも不可能ですし、不適切。。。。。考え方を整理してみました。
Q.孤独死が心配です
A.本人以外の連絡先を把握しておきましょう
多くのマンションで「二つの高齢化」が進み、孤独死の問題に直面しています。30歳代~40歳代で購入したマンションが築30年が経ちました。多くの住民の購入年代は同じような時期。マンションの高齢化とともに住民も揃って高齢化しています。一人暮らしの高齢者が増えるなかで「孤独死」の問題がマンションの課題となることは当然です。
把握しているのは本人情報だけ
「孤独死」は防ぐことはできません。でも、「孤独死」の早期発見は可能です。ところが、多くのマンション=管理組合では、それが不可能な状況です。なぜなら「本人以外の緊急連絡先」を把握してないからです。「孤独死」=本人は死んでいる。なのに、管理組合が把握しているのは本人の①自宅固定電話、②本人の携帯電話、くらいですよね。多くは①しか分かってないですし、どんなに分かっていても③本人の勤務先、くらいまでです。
時代遅れの「入居届」
この理由は簡単です。皆さんが管理組合に届出たのは、入居時に管理組合=管理会社に提出した「入居届」だけ。ですので、入居した「〇年前の私の情報」しか登録してなく、その頃は携帯電話の記入が当たり前になる前。登録した固定電話はもう契約解除しているかもしれません。そして、今では時代錯誤の「勤務先」は堂々と記入欄がある入居届であって、私の会社ではその時代遅れの入居届のフォーマットは変わらないままです。大多数の管理組合(管理会社)の入居届はそういう状況です。
知っておくべきは「本人以外の連絡先」
もう言うまでもないですよね。管理組合として知っておくべきは、本人情報ともに本人以外の連絡先です。それが、まずは「孤独死対策」としての「安否確認」にすごく役立ちます。本人が単に旅行しているだけなのに「孤独死しているのでは?」とか言って理事長判断でカギを壊してもらって警察に安否確認してもらう、なんてこともあります。その場合は当然管理組合負担でカギの復旧をしなければなりません。親族にさえ連絡とれていれば笑い話しで済むことが大半。
緊急連絡先登録運動
私がマンションフロントとして管理組合と一緒に取り組んでいるのは、「緊急連絡先登録運動」です。要は、「あなたがなにかあったときに連絡とって欲しい相手を管理組合で登録しておきます」という運動です。これはあくまでも任意。強制はできませんし、すべきものでもないのでしょう。ただ高齢の住民にとっては管理組合がこうした取り組みをすることを嫌がる方よりも歓迎してくれる方の方が圧倒的に多いと思いと感じています。
前述のように、管理会社が用意している「入居届」は本人情報のみ。だから、組合で独自の登録用紙をつくって、「任意」であることも書いたうえで「本人以外の連絡先」(Ex.子ども、兄弟姉妹等)を書いていただいて、登録しておくことをお薦めし、私は担当しているマンションの管理組合と一緒になって取り組んでいます。
管理会社の協力がベター
ただ、この「本人以外の連絡先」は、極めてプライベートな情報。この管理を理事長個人がする、理事長が次の輪番の方に引き継ぐ、とかは組合員にとっても理事長にとってもあまりハッピーではありません。私がしている取り組みも会社としての取り組みではなく、私が一フロントマンとして管理組合と一緒になって取り組んでいる「運動」。私の場合は、「組合員情報登録管理部門」=管理費徴収部門、に協力の確認をして取り組んでいます。管理会社が協力してくれない、登録する=データ管理することがデータ管理システム上できない、という管理会社もあるかもしれません。管理会社の協力の可否を打診し、データ管理のあり方を確認してから推進してみてください。
実は「相続対策」で有益な当取り組み
孤独死はそうそうあることではありません。でも、一人暮らしだった方がお隣も知らない間にお亡くなりなっていた、なんて話しは良くある話し。その際に相当に高い確率で起きるのが管理費滞納の問題です。この取り組みは、実は、この「区分所有者死亡後の管理費滞納問題」に効果を発揮します。
管理組合も管理会社も知らない間に区分所有者がお亡くなりになっている。管理組合が管理費を自動引落していた口座が一定の段階で閉鎖される。そこから「謎の滞納」がはじまるのです。滞納が2カ月3カ月程度の間は普通郵便で督促するだけで気づきません。半年くらいして、管理会社の督促義務が免除されるころにやっと気づくか気づかないか、くらいのことが多くあります。
督促担当部門が謄本から所有者変更等を調べてくれるのですが、謄本には相続したご子息等のお名前と住所しかありません。ここから相続人と連絡とるまでも大変なのです。
所有者不明マンションをつくらないためにも
この取り組みは、近未来的には「所有者不明マンション」の防止に最大の役割を果たすのでしょう。これは管理組合にとってすごく大切な問題であり、管理会社にとっても大きな問題。管理会社と協力してぜひ推進していくことをお薦めします。
