マンションのインターネット。通信速度が遅いというご相談をよくいただきます。お部屋まで光ファイバーが届いていないマンションでは当然です。もうこの時代、マンションのインターネット環境は生活の質を変える決定要因です。早急に改善に取り組みましょう。
Q.マンションのインターネット回線。部屋まで光ファイバーを通すことはできないのでしょうか
A.できます。フロントマンの提案力が問われています
「部屋まで光」は時代の要請
2010年以前に建設のマンションでは部屋まで光ファイバーを通すことができませんでした。NTTが初めてマンションに部屋まで光をはじめたのが2006年。ですので、築15年以上のマンションは、そのほとんどがその後にはじまった「VDSL方式」と言われるマンションの入口までは光ファイバーが来ているけど、その後は電話線(銅線)を使って部屋まで来ている、というものになっています。
戸建てでは通信速度が1Gはあたりまえ。職場では10Gがくらいの通信速度になれている。それで仕事している方々が、家に持ち帰ったとたんに100Mがになってしまうのです。これではイライラは募ります。仕事になりませんし、ゲームとかの遊びにも不十分な環境です。
家のインフラとしてもっとも重要となっている通信環境がこれからも改善されそうにない。これではマンション生活は極めてフラストレーションが溜まるものとなってしまいます。
マンションのインターネット環境はフロントマンの能力次第
組合員の皆さんがそんな悩み・不満を抱えているにもかかわらず、その改善の提案をしないのは、そのフロントマンの知識・能力・やる気がない、と言わざるを得ません。管理組合の課題として、フロントマンを動かしてみましょう。
やる気があるのはNUROやケーブルTV会社
いまのVDSL方式は、NTTやKDDIによるものというマンションが多いでしょう。この改善をすでに多くの契約者がいるNTTに要請するよりも、管理組合としてNUROの導入を決議してしまう、という方が早いというのが私の経験です。これには、マンション管理会社としてNUROの代理店と契約しているか、とかの問題もあります。でも、管理組合としてNUROの代理店と契約することも可能です。
そんなことを調べるのもフロントマンの仕事。動きが悪かったら、管理会社にフロントマンの交代を要請する理由になるでしょう。またそれに応じない管理会社ならば、管理会社を変える理由にもなる大きな問題ですよね。フロントマンが動くかどうか(能力・やる気)を判断する重要な指標ともなります。理事会で提起してみましょう。
お薦めはケーブルTVの一括導入
まだマンションとしてはVDSL方式しかなくて、すべてのお部屋で光が通っていない。どの部屋もいまは100M程度の通信速度で我慢している。こういうマンションならば、逆にチャンスです。ケーブルテレビ会社が熱心に進めている全戸一括導入を検討してみたらいかがでしょうか。
超低価格で光化が実現
私が折衝している2つのケーブルテレビ会社では、どちらもそのメニューを持ち、管理組合負担で一括全戸導入(全戸の部屋まで光回線を敷設)契約すると、1戸あたりの価格は1000円~2000円以内で光回線がお部屋まで通じて1Gの通信速度を得ることができます。
地上波の視聴が負担ゼロで安定化
ケーブルTV会社とこの契約をする場合は、光回線だけの問題ではありません。地上波の電波も各戸まで無料で提供してくれる付属契約が付いています。その結果、今までは管理組合負担で設置・交換しているアンテナや増幅器(ブースター)の交換費用が必要なくなります。同時に故障時もケーブルTV会社に電話するだけで即座に無料で修繕してくれます。さらには、故障時はこちらから電話しなくても異常をケーブルTV会社が感知します。連絡をしてくれて、自発的に現地に向かってくれています。
低価格で魅力的なTVチャンネルの視聴が可能に
ケーブルTVと言えば、スポーツチャンネルや時代劇チャンネル等々魅力的な有料コンテンツがいっぱいですよね。それらが組合が契約することによって、個人契約も特別料金の低価格で視聴することが可能になります。インターネットの高速化が低価格で、というだけでない特典がいっぱいあります(その他にも携帯電話とのセットや固定電話とのセットでの低価格化等)。
管理費値上げ問題とセットで検討可能
私がこの「一括導入」を推進しているには、もう一つの深刻な理由があります。
いま、どの管理組合もこの物価高の影響を受けて管理費会計が逼迫しています。「修繕積立金を2倍にしないといけない」なんていう議論を深刻に話しあっている組合理事会で、管理費の値上げの必要性まで言及しないといけない組合が多数あるのです。その際に、まだ光化が進んでいない管理組合にはこの一括導入の話しは歓迎されています。
組合員の負担増ゼロで管理費値上げを実現
一括導入なら、個人の負担はゼロ。組合の負担は1戸あたり1500円程度。この場合、各世帯にしてみるとそれまでのインターネット接続料金の4000円~5000円が不要になります。ですので、仮に管理組合が管理費を5000円アップしても、組合員個人からすると、家計の支出はプラスマイナスゼロです。そして管理組合からすると1戸あたり1500円の負担はありますが、5000円の管理費増がありますので、差し引き3500円の収入増となります。
ですから正しく換言すると、各組合員は、インターネット接続料は1500円で通信速度は10倍にすることができて、さらに3500円の管理費の増に応じた。でも家計の支出は変わらない、ということになります。
Win=Win=Win を実現
組合員も管理組合もケーブルTV会社もみんなが Win=Win=Win の関係になれるこの提案。管理会社のフロントの才覚によって変わってきてしまいます。ですので、そうした意味でもマンション管理士がアドバイザーとして組合に寄り添っていればいいのかもしれません。マンション管理士がこうした知見を持ち合わせてないと論外ですが(笑)
組合にとって、組合員にとって、大切な問題。
ご検討ください。
