Q.管理会社がやってくれているので、マンション管理士におカネ払う必要性を感じません
A.管理会社にしっかりと仕事させるのがマンション管理士の仕事だと思います
マンション管理士を採用することの最大の障壁はおカネでしょう。月々5万円~10万円くらい。そんなおカネを払ってまでマンション管理士に同席してもらう必要があるのか? マンション管理士の採用を考えるとき、突き詰めるとそこになりますよね。
「生殺与奪の権」を握っている管理会社
ちょっと難しい言葉で言うと利益相反って言われる関係性です。管理費等は管理会社よって計算されている。組合員は、その指示された額を払っている。でも、支払う先の大半はその管理会社。残りの費用も管理会社が指定した業者に支払っている、というのが実態です。
私たちのお財布を預かっていて、そのお財布を「勝手に」使っている。現実としては理事会に諮っていますが、少なくても提案するのは管理会社。そして、足りなくなったら私たちに「足りなくなったからもっとください」と管理費や修繕積立金の値上げを言ってくる。これはちょっと適切な例えではありませんが、管理組合がしっかりしてないとこのようなことになりかねないのです。
間違いない事実として、「お財布を預かって」いて、「その支出の大半」は管理会社とその関係先。「おカネを集める係(管理費・修繕積立金額を提案する)」のも、「おカネを使う係(支出先の提案)」をするのも管理会社であることです。実際にそれだけの役割と権限を管理会社に委ねているのが管理組合です。関係性としては、自分の「生殺与奪の権」を管理会社に握られているのが管理組合なのです。
管理会社は当然に商売します
関係性がそうだからと言って、管理会社が管理組合を殺そうとはしません。間違いなく管理組合のために一生懸命に働いてくれています。ただ、「管理組合のために支出を減らす」というのは、管理会社の利益に反するのは明らかです。管理組合は、管理委託費を安くしてもらいたい。でも、管理会社は「適正利益」を管理組合からいただかないといけません。工事にしても管理組合は少しでも安くしてもらいたい。でも、管理会社は一つひとつの工事からちゃんと利益をいただかないといけません。
Win=Winでなければなりませんが、どうしても力関係は管理会社が強いのが実態。管理会社の言い値で買わざるを得ないのが管理組合の実態です。
管理会社は敵ではないけど、緊張関係が必要
要は、管理会社は敵ではないけど、しっかりとチェックしないといけない、ということです。実際に「厳しい組合」には「ここは1割しかもらえない」けど「この組合は2割乗せてもいい」なんていう会話は普通に飛び交っているのが管理会社なのです。管理会社のチェックが絶対に必要です。
フロントマンに期待はできない
マンション管理会社に勤めて、フロントマンという仕事をしている人間。マンションを購入できる収入層である日本社会の中堅層以上の方々が勤務している会社の社員のレベルより高い、とは思わない方が賢明です。非常に乱暴な言い方ですが、マンション管理会社の社員のレベルは、あなたの主要財産を安心して任せていられるパートナーレベルとは言い難い実態です。
簡単に言ってしまえば、マンションのフロントマン。大クレーム産業。土日なく、こまごまとした提出書類ばかり。非常に離職率が高く、国土交通省もマンション業界の離職者対策に注目するくらいです。優秀な方は、すぐに転職してしまう業種であることは間違いありません。
当たりはずれのあるのが担当者
原則論としても前述のとおり。さらに運が悪ければ本当に「はずれ」の社員が担当者になっています。でも、よほどのミスをしてくれないと「担当者を変えてくれ」とかは言えません。また、言っても実現しません。事務能力のない社員、やる気のない社員が5年間ずっと担当を続けていたらどうなるでしょう。あなたのマンションは廃墟に近づいてしまいます。
「管理できない」のが管理組合の宿命
マンション管理組合と言ったものの、マンションの管理方法なんて分かる住民は皆無に等しいですよね。マンションの管理には、①建物の管理、②設備の管理、③理事会運営、④住民対応、等々の専門的知識がないと分からないことに対し、それぞれの法律に基づいて対処していかなくてはなりません。これに対応できる能力は、マンション管理士が住んでいる、管理会社勤務の人間が組合員に居る、とかのマンションでもない限り99%の管理組合ではその能力は備わっていないと思います。
また、仮にそういう方々住んでいても、マンションの民主的な運営のためには、輪番でやっていかなくてはなりません。ですから、「輪番制」という民主的なシステムの下では、管理組合はどうやっても管理能力を持ちえない宿命なのです。
専門家の支援は必要
①管理会社の利益は管理組合の不利益である構造的な関係性
②担当のフロントマンを信じ切ってはいけないこと(頼りにならないと思うべきこと)
③管理組合は、どうやっても管理能力を持ちえないこと
この3つは必然です。
そのなかで、自分たちの財産を守るために、自分たちに自分たちの力(おカネ)で専門家の味方をつけておくことの必要性があることは言を待ちません。
そのうえで、自分たちのマンションに
①採用するだけの体力(資力)があるか?
②採用したら得するくらいの支出が行われているか
ということを十分に検証したうえで、
③力になってくれるマンション管理士を選ぶこと
が大切になってきます。
①②については、「マンション管理士の採用 可能度&必要度 セルフチェック」に記しました。
③については、「マンション管理士の選び方」で記しています。
あなたの大切な財産。自分たちの工夫で守っていきましょう!
